陸さんだった。


「り・・・りくさん!?」



呼吸を乱しながら、あたしを見て驚いている。


無理もない、手足は鎖で繋がれ、制服は乱れているのだから。



まさか陸さんが来てくれるなんて…


陸さんにはこんな姿、絶対に見られたくなかった。





「奈緒!」



すぐにあたしの乱れた制服を整え、そして抱きしめてくれた。



「・・・わりぃ・・・」



陸さんはそう一言つぶやいただけだったが、その抱きしめられている手は震えていた。



「・・・陸さん・・・」



「・・・おい!!!」


義父は陸さんの襟元を掴み、引っ張った。


それと同時に亮輔さんと栞が義父を抑えつけた。



「お、おまえらこんな事やっていいと思ってんのか!!」


「・・・それどっちのセリフ?自分の子供を監禁しといて」



陸さんが義父の顔の近くまで迫り、今まで見たことないくらい鋭い目つきで睨んだ。



「陸!やっちまえよこんなやつ」


亮輔さんが言った言葉に義父が反応した。