乱華~羽をくれた君~【完】




ピンポーンピンポンピンポン!!!!

ドンドンドンドンドン・・・・・・



鳴りやまないチャイムの音。



そして誰かが乱暴にドアを叩いているようだっだ。



「チッ・・・うるさいな。誰だこんなに乱暴にする奴は!!」



義父は面倒くさそうに玄関へ向かった。



もしかして・・・


栞かもしれない・・・


かすかな望みを抱いた。



昨日会う約束をしていたのに、あたしは待ち合わせ場所に行かなかった。


そのまま何の連絡も出来ないままだったし、栞は絶対不審に思ってくれているだろう。



目を離したすきにあたしは口を動かし、半分までガムテープをはがすことに成功した。



「どちらさまですか?」



義父がインターフォン越しに出た。



「あの~近所の者ですけどー・・・」



その声が聞こえた途端、絶望感がまた襲いかかった。



男の声だ・・・栞じゃない・・・



「すみません、今忙しいので・・・」



義父が切ろうとした。