誘う手の群れ

「おっかしいなあ……、もう充分進んだような気がするんだけど、箱? 台? どこにもないんだよなあ……」


輝彦が懐中電灯で周囲を照らしながらひとりごちる。

岩肌からは水がしみ出ているのか、懐中電灯の光を受けてキラキラと光っている。




と、その時、突然前方から青白いものが薄い光を放ちながら輝彦の方へと迫ってきた。


「なんだ! あれは!」


最初に気がついた昌人がその薄い光を放つものの方へと懐中電灯の光を照らした。

その言葉に輝彦と夢月も気がついて懐中電灯を向けられた方向へといっせいに照らす。

夢月はいよいよお目当てのものが見れるということもあって身を乗り出さんばかりにそれを見つめた。