ドンドンッ! すると、我に返ったように私から離れ顔を赤らめている千秋さんの姿が目に入った。 「っあ…か、和葉」 身体は密着したまま、顔を手で覆い、俯いた。 私はというと、息が乱れてなにも話せないでいた。 「部屋、行こう」 それだけ言うと千秋さんは車を降り、夜空を仰いだ。 月の光に照らされた彼の姿は、儚いほどに美しかった。 私も車を降り、彼のあとに続いて彼の部屋に入った。 あのときから大して時間は経っていないはずなのに、なんだか何年も経ったような錯覚さえした。 .