「俺んちに泊まるの」

あ、と私は言われている意味に気づく。

小早川千秋と一晩一緒に過ごす、って。

―――かあぁぁぁぁ…

私は顔がみるみる熱くなるのを感じた。

なんでここに来ちゃったんだろう。
今更考えても遅いし、何より一人ではいたくない。

絵美は決まって週末になると彼氏の家に泊まりに行くから頼れない。


私が悩んでいるのに気づいたのか、彼は私の頬に手を当てこう言った。

「なにもしないから。くつろぎなさい」

頬に当てられている手から、私がどれだけ身体中を赤らめているかばれてしまいそうだ。



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