━入学式が終わった次の日、教室にて━

「今日は学級委員を決めます」

そんなことを先生が言っていた。

魔王はまだ学校の雰囲気に馴染めず、窓の外ばかり見ている。メイヤとアーサンなどとしか親しくしたことがない。

どうやら委員長が決まったようだ。

「あやつか……」

一人すさまじく目立ち騒がしい男がこのクラスにはいた。
そいつが委員長に選ばれたようだ。

もえは、その男が何故か好きではなかった。

「それでは、副委員は女の子にお願いします」

誰も立候補はしなかった。

「ではもえがやろう」

クラス中が突然の魔王の発言に驚いていた。
魔王は妥協することを知っている。

「俺、アレンっていうんだ。よろしくな」

アレンは魔王に笑顔で手を差しだしてきた。
やはり魔王は、アレンを好きになれそうにない。

「よ、よろしく」

握手をかわした。




修得:社交性