―雪解けの頃―

「これで最後みたいだな」

アレンは世界に点在する魔王のダンジョンを攻略し、ついに探し求めるアイテムを手に入れるところまできた。

「後はここのボスを倒してアイテムを頂くだけか」

アレンはそのダンジョンを軽々と進んでいく。

宝箱には興味はないので、どんどん先を目指すのみ。

休憩を取りながら、半日ほど経つとボスの部屋にたどり着いたアレン。

「アイテムを渡してもらうよ。痛くしないからじっとしてな」

「お前だ……」


ボスを確認するなり、一足飛びでボスの元へ剣を抜きながら近付いた。

不思議なオーラを纏ったアレンの剣は、油断しまくりで台詞を吐いている最中のボスを切り裂いた。

「心配しなくても切れてないぜ」

ここのボスも案の定、何が起こったか分からないまま邪気を消された。

「もう完璧だな」

これまでの旅で、アレンの強さも高みまできていた。

「さぁ最後のアイテムを渡して貰おうか」

邪気を消されたボスは、素直にアイテムを渡す。

「丸々三年もかかっちまったな」

魔王の宣戦布告から三年。
アレンは遂に二つのキーアイテムを手に入れ、ラストダンジョンの魔王の城を目指す。

「魔王、待ってろよ」