吸い寄せられるようにベッドに近付いた清龍。

おもむろに横になるとひとりごちました。


「……寝心地いい」



「ねぇ、なんで猫耳カチューシャなの?☆」


「うるせーって……あーっ!!

お前、何勝手に寝ようとしてんだよ!?

この間攫(さら)った姫と二人きりになりたいとかで邪魔者扱いされて魔王に城を追い出されて、俺様はむしゃくしゃしてんだよ!!

憂さ晴らしに付き合えっ!!」


清龍に気づいたボス(仮)は清龍の身体を揺すります。


「ヤダ」


「ヤダって即答すんな!!

仮にも勇者ならここでやる気出すのが普通だろ!?」


「うるさい……。

氷」


「うぼおぉぉあ……!!」


ピキンッ。


哀れ、眠りを妨げて清龍の怒りを買ったボス(仮)は、ただの手の一振りで氷付けにされてしまいました。