その数秒後、ヒメ兄・チサトがふらりふらりと玄関にやって来た。 すると、ヒメ兄・チサトは実に自然にさりげなく玄関の扉の鍵を開けた。 「ちょ!!?」 外には、包丁を構えて立っているマッシュルーム女。 あぁ……殺される………。 そう覚悟した俺の目の前で、マッシュルーム女は包丁を落とした。 その瞳は見開いていて、ヒメ兄・チサトを凝視している。 「王子ーーー!!!」 そう言って、ヒメ兄・チサトに抱きつくマッシュルーム女。 お……王子……?