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気付いたのは一週間ほど前だった。

高校のクラスでの存在も希薄であり、委員会の仕事などは全て裏方で済むものにした。公に姿を現して失敗してしまうことを恐れたからだ。
失敗する自分を想像すると全身が上気する。血液が逆流するような錯覚まで覚える。

恥はかきたくなかったのだ。

他人を喜ばすような作り笑いができればクラスに溶け込むことも簡単であったが、自分の性格がそれを許さない。
誰かと相対して無理に笑顔を作ると顔が歪んでしまう。
不器用な、という言葉では済まないほど世渡りが下手だったのだ。