パロを助けようと思い、身体全身を壁にぶつけて椅子を壊した。 紐の縛りが緩むと、急いでパロに駆け寄った。パロは老体であったから、死んでいた。 パロの口元から出る血をそっと拭いながら私は、泣いた。 一切の感情をふさぎ込んでいた今までだったからこそ出た涙であった。 それは一筋の涙であったがパロを蘇らせるには十分であった。