「本日はありがとうございました」 そう言って手を差し出した。 「・・・楽しかったよ」 エンジェルも手を差し出し、握手はして控え室を出た。 「--…で?気が済みましたか、お嬢さん」 皮肉めいた翼をよそに、そう言えば名前を聞かれなかったな、と思いながらズンズン歩いていく。 「ちょ、おい。かな・・・ 「うん。やっぱり話せてよかったよ」 そう言いながら、後ろを振り返った。 「さ、帰って準備しよっ」 「は?準備?お、おい!叶音!?」 なにもわかっていない翼を無視して歩き続けた。