確かに女の私から見ても綺麗な人。
それに・・・なんだろう?
なにか、不思議な感じというか何かが他の人と違う--
「ねぇ、つば・・・・ッ!」
えっ・・・・
ふっと隣をみると言葉が止まってしまった。
さっきまで眠そうに頬杖をついていた翼が・・・
目をしっかりと開けてじっと転校生を見つめていた。
その姿を見て心がざわつく。
--初めてだ。
翼がこんなに女の子を凝視するなんて・・・
驚きと同時に胸がズキズキと痛む。
そして、こんなときに限って運命とは残酷だ。
「じゃあ、握野の席は…天越の隣な」
担任の声がやけに重く聞こえた。