「大丈夫、俺はハクだよ。それにお前はナナだ。」
あたしを安心させるように優しい声でそう囁く。
「うん……、うん。」
涙を拭いながら一生懸命頷く。
「不安なんだろ、また一人になるのが。」
優しい声のままハクは言った。
そうだよ、すっごく不安。
ハクはちゃんと分かってくれてたんだよね?
「うん。」
「心配しなくてもずっと隣に居てやるよ。」
そう言ったハクは俺様に戻って、あの意地悪な笑みを浮かべていた。
「だから、俺と付き合え。」
付き合え?
「どこに?」
目の前のハクは呆れたというような顔をしていた。
「じゃなくて……。」
じゃなくて?
じゃなくてって…………
「そ、そういう意味か。」
そっか、それで“好き”か………。


