「こうしたら分かる?」
ハクはそう言ってポケットから黒い眼帯を取り出して付けた。
…………
う、嘘………。
「ラ、………イ?」
ありえないよ………。
嘘でしょ?
なんで?
「ハク、じゃないの?」
あたしはこれでハクがいなくなるような気がしてるから怖いのかもしれない。
ハクが雷の作り出した架空の人物だったらあたしは泣くかもしれない……。
というか、あたしもう泣いてる………。
なんでだろ………。
「ハクだよ。」
なんでだろ…………、
その優しい笑顔にとてつもない安心感を抱くのは。
「ライじゃないの?」
「ライじゃない、ライはやめたんだ。」
涙が止まらないのはなんで?
ただ、泣いてる意味がさっきと違うのは分かった。
今は寂しさとか不安はない。


