「ちょっと上向いて?」

素直にしたがった。

なんかコワイし。

上を向くと、いきなり長くて邪魔な前髪を掻き分けられた。

そして眼鏡をとる。

ヤバイくないかい?


「あんた、いい顔してんじゃん…。
あたし、地味女キライだから、美少女に変えてあげる。」

えぇ!

「おぃおぃ、ナナってあのナナだったワケ?」

そう口を開いたのはシュントさん。

「シュントさんごめんなさい、べつに偽るつもりじゃなくて……。」

「“さん”いらないし。愛しのナナに会えて嬉しいよ。」

キモいよ〜。

いくらイケメンでもその台詞引くわぁ〜。

「あんた、超美少女じゃん。
なんでそんなキモいかっこしてんの?」

アカリさんはそういいながらあたしのウィッグをとった。

「うわ、めっちゃ美少女!」

そう言ったのは腹黒リュウマ。