『すごいじゃん菜都!!おめでとう!!』

私の話を聞き終えた春奈は、興奮気味に声を上げていた。電話越しにキャーキャーと騒ぐ声が聞こえる。

……もっともな反応だろう。

「おめでとう」という言葉は、私が佐山君に対して憧れの思いを抱いていたと、春奈は知っていたから。


『すごい、すごい!!やったね、菜都!!』

「えぇと…」


素直に、うん、と返せなかった。

佐山君の告白に、私は「やった」と感じていないからだ。

嬉しいとは思うけど、正直なところ、戸惑いの方が大きい。


『まさか両想いだったなんて!!すごーい!!』

「………」

興奮する春奈に、黙り込む私。


そんな温度差を春奈もやっと感じたようで、『……あれ?どうしたの?』と、怪訝そうに聞いてきた。