ドーン!!


いきなり大きな音がしたから体がビクッと震えた。


「あ……」

暗い園内を一瞬だけ明るくする光。


「始まったね」


始まりを告げる大きな花火の後、小さい花火の連発だったり、星型の花火が上がったりして、雲ひとつない夜空をきれいに彩った。


その間ずっと、福嶋さんはあたしの手を握っていた。


さっきまでとは違って、指を絡めるような繋ぎ方で。



初めてのキス。

初めての彼。

高校生になって初めての夏休み。


大切な思い出が出来た日。



あたしは、この日をきっと、忘れない──……。