「なに! ホントか? 相手は?」

 いきなり過ぎて、思わず寺尾を追求してしまう。

「ちょっと、浅野君、落ち着いてよ。そんな、ただ好きって言われただけなんだから」

 それを聞いて落ち着ける訳がないだろ。

「だから、浅野君が、どうなのかな? って」

 つまりは今のような友達以上恋人未満ではなく、はっきり結論を出せ、ということか。

「よし。ならば今から行くぞ」

「え? どこへ?」

 そりゃあ告白シーンには……どこが似合うんだ?

「ん〜いや、とりあえず人目の無い夜の公園を探す!」

「そんな! 借金執事とお嬢さまのような所で?」

 いや、俺借金無いし。

 あ、昨日村山に120円借りたか。

「とにかく。先輩、何かいろいろとありがとうございました。大学受験、頑張ってください」

「はいはい。じゃあ寺尾さん、後で電話してね」

 うわ! 報告するらしいよ。こりゃちゃんとしないとな。

「あと、浅野君が480円と、寺尾さんは、まあ出しておくわね」

 チッ! さりげなくおごってもらおう、と思ったのに。

「いえ、ここは出しておきます。先輩に世話になりっぱなしじゃ男の面子が立ちませんので」

 と財布を取り出したのはいいが……

「すみません。前言撤回させてください」

 朝マックおごってるから、手持ちが無いんだった。