目の前で扉が閉まった
音を立て 電車は去っていく
同時にひどく倦怠感が
波のように押し寄せる
君は1分間を大事だ(ながい)と言う


ずっと心待ちにしていた
久しぶりに会える遠くの友
時計の針が別れを告げる
次会えるのはいつになるかな
君は1分間を短いと言う


試験の前の数分間
必死で頭に叩き込む
目の前に並んだ問題に
見慣れたものなど一つもなかった
君は1分間を無駄だと言う


遠くへ旅立つ君の傍
「これからは夢で会おうね」と
なかなか守れない約束でも
たった一つの手段だから・・・
君は1分間を儚いと言う


僕のせいで泣かせてしまった
とても大事な君なのに
「夢で会おう」と気休め言っても
両頬つたう その二筋を
もう拭うことさえできないんだな

僕を想って空を見ないで
僕はそこにはいないから
君の隣で笑顔浮かべて
一緒に空を見てるよ、きっと

姿かたち見えなくても
そのうち君は気づくだろう
だって君ほど僕のこと
わかってくれた人はいない


君は1分間を儚いと言った
僕は1分間を尊いと言おう