扉を開けるとき…最高潮の緊張が押し寄せる。 機嫌は、いいか… 殴られないか… それをいつもいつも扉の前で考え緊張する。 カチャ 怖いくらいの静けさだった。 「ただいま…」 「んっ、ぅんっ、…さけ……お酒………」 リビングからアルコールの臭いが漂ってくる。 「……お母さん…ただいま……。」 とりあえず声をかけて中に入る。 「…お酒……お酒…」 「ただいま…」 「お酒…お酒……」 母親は、言って羚音の横を通り過ぎる。