予想通り、入学式を遅刻した。
新入生の中で、ボク一人だけが保健室に居た。
小学生の時もそうだったが、ボクにはお似合いの場所だ。
白い世界で、薬の匂いが染み付いている。病院ではないけど、限りなく病院に近い部屋。
人間は、こういう風な場所で、生まれ、こういう風な場所で、死ぬ。
ボクの場合は人生の大半は、この部屋なんだろう。
入学式で保健室スタートは先行き不安だ。原因を作ったおじさんは、
「悪い悪い」
と言っていた。
けど、目は悲しそうだった。
ハルカは、あのまま、ベットの上で眠ったまま、起きなかった。
「ハァ」
保健の先生も居ない部屋で、ボクはすっかりお気楽ムードでくつろいで居た。
微かに聞こえる入学式の音楽が聞こえている。
三年生が挨拶でもしているんだろう。
体育館で、式がしているらしい。結局、式に出ていてもボクはここに居る。
体育館は寒い。
ガラクタが長時間、耐えれる訳が無い。
ボクも休めば良かった。
本当、ガラクタだお前は!
心臓を睨み付け、ボクは布団に潜った。
「もしもし?」
「おーい」
「ん?」
ボクは寝ていたらしい。
上から降って来る声で、やっと身体が覚醒を始めた。
まだ開かない瞼を無理矢理、開き声の主を見た。
真新しい制服を着ている女の子。同じ男の子。
女の子は髪が長く、ほんのり茶色。顔は大人っぽく、眉も弄っているのか、整っていた。ボクを見詰める瞳はパチパチと開閉を繰り返す。
男の子は茶色肌に視線がいった。こんがり焼けて、いかにも野球少年って感じだ。顔も迫力がある。この男の子も大人っぽい。
「起きた??私、神木ユイ!初めまして!山音ミノル君!私とこっち、多田トーマが1Bの学級委員長だから、よろしくネ」
「・・・」
早口というか、勢いというか。
擬音で言えば、バァーって言われたって感じだ。
単語の発音が良いのか、良い目覚まし時計になりそうと、ひそかに思った。
「ってか、早く起きろ!先生が呼んで来いっていうから、わざわざ来てやったんだ!」
「・・・」
絶対に、学級委員長を自ら志願したんじゃあない。推薦か、ジャンケンに負けたんだぁ。声も態度も苛々しているのが、手に取るように分かる。
新入生の中で、ボク一人だけが保健室に居た。
小学生の時もそうだったが、ボクにはお似合いの場所だ。
白い世界で、薬の匂いが染み付いている。病院ではないけど、限りなく病院に近い部屋。
人間は、こういう風な場所で、生まれ、こういう風な場所で、死ぬ。
ボクの場合は人生の大半は、この部屋なんだろう。
入学式で保健室スタートは先行き不安だ。原因を作ったおじさんは、
「悪い悪い」
と言っていた。
けど、目は悲しそうだった。
ハルカは、あのまま、ベットの上で眠ったまま、起きなかった。
「ハァ」
保健の先生も居ない部屋で、ボクはすっかりお気楽ムードでくつろいで居た。
微かに聞こえる入学式の音楽が聞こえている。
三年生が挨拶でもしているんだろう。
体育館で、式がしているらしい。結局、式に出ていてもボクはここに居る。
体育館は寒い。
ガラクタが長時間、耐えれる訳が無い。
ボクも休めば良かった。
本当、ガラクタだお前は!
心臓を睨み付け、ボクは布団に潜った。
「もしもし?」
「おーい」
「ん?」
ボクは寝ていたらしい。
上から降って来る声で、やっと身体が覚醒を始めた。
まだ開かない瞼を無理矢理、開き声の主を見た。
真新しい制服を着ている女の子。同じ男の子。
女の子は髪が長く、ほんのり茶色。顔は大人っぽく、眉も弄っているのか、整っていた。ボクを見詰める瞳はパチパチと開閉を繰り返す。
男の子は茶色肌に視線がいった。こんがり焼けて、いかにも野球少年って感じだ。顔も迫力がある。この男の子も大人っぽい。
「起きた??私、神木ユイ!初めまして!山音ミノル君!私とこっち、多田トーマが1Bの学級委員長だから、よろしくネ」
「・・・」
早口というか、勢いというか。
擬音で言えば、バァーって言われたって感じだ。
単語の発音が良いのか、良い目覚まし時計になりそうと、ひそかに思った。
「ってか、早く起きろ!先生が呼んで来いっていうから、わざわざ来てやったんだ!」
「・・・」
絶対に、学級委員長を自ら志願したんじゃあない。推薦か、ジャンケンに負けたんだぁ。声も態度も苛々しているのが、手に取るように分かる。
