---体育館を出て、トイレに寄って、
アタシと塔子は新しいクラスへ入って行った。


1年の時同じクラスだった子も
いっぱい居て皆で和気藹々、
HRが始まるまで賑やかに過ごしていた。


「杏里!!何だよ、
オメーと一緒かよ!!」
「うげッ!ゆ、佑介!」
「んだよ、やっぱ俺達、
くされ縁だな~。」
「ホントだよ・・・(涙)」
「ま、仲良くしよーぜ!・・・
って元々仲良いけどな。」
「・・・うぅ~↓↓悲しい」
「は?何て事言うんだよ!」


ぶっきらぼうに話しかけてきた
男子・・・
武田佑介(たけだゆうすけ)。
アタシの生粋の幼馴染み。
家も徒歩10秒の所に住んでいて、
ハッキリ言って普段も良く遊ぶ男友達。
一言で言うと、食いしん坊の野球馬鹿。
とにもかくにも野球が大好きな奴。
いい奴なんだけど・・・
公私共に顔を合わせると思うと
ちょっとウザイ(笑)。


「しかも、席まで近いし・・・(涙)」
「仕方ないだろ、名簿順だし!」

しょげてたアタシを
笑いながら塔子が佑介に話しかけた。


「塔子です!佑介くん、よろしくね!」
「お、おう!よろしくな!」


塔子が佑介の1つ前の席、
アタシが佑介の右後ろの席、
アタシの前が1年から同じ友達の席・・・
何だか知り合いが固まっている席だった。


1年の時同じクラスだった子は
5人位居た。
あとの人は、ハッキリ言って1年の時
階が違うから初めて見る人ばかり。
でも皆、気さくで面白そうな子で。


まだ「恋の予感」は無いけど、
高校生生活を満喫できそうな
素敵なクラスであろうと
アタシはその時思ったんだ。