---「ただいまぁ~・・・。」
アタシは家に着いた。


奥の部屋から、ママが
「あら、杏里、どうした?」
「うん、電車に挟まれてさ、
制服、鼻血まみれだよ(涙)」
「バッカだねぇ~!!(笑)
さっさと着替えて学校行きなさい。」


はいはい、分かってるっつーの。
部屋に戻って制服を着替えようと
靴を脱いで家に上がった。


その時、


ズキン!


あ、何か頬が痛い。


「・・・ママ、アタシのほっぺ、
どおなってる?すごい痛い・・・。」
「ん?・・・あら、青くなってるね。
湿布貼ってあげるから、ね?」
「んげ!!メイクしてるんだけど!」
「バカ、早く治りたいなら湿布貼って
行きなさい、メイク落として!」


学校にノーメイクでなんて
あんまり行った事ないよ。
でも、自業自得だし・・・。


部屋に行ってメイクを落とした。


(なるほど、こりゃ痛い訳だナ。)


アタシの右の頬は縦に青くなっていた。
それもくっきり。


「杏里~、ほれ、湿布!」


ママが部屋のドアからアタシに
湿布を1枚投げた。


「こんなの貼っていったら、
喧嘩して殴られたって思われるよ。」
「あら、ある意味カッコイイぢゃん!」
「もぉ~、他人事なんだから!」
「さっさと学校行きなさい!杏里!」
「分かってるって、もぉ。」


アタシは湿布を貼って、
制服を着替えて、もう1度
駅に向かった。


途中、塔子からポケベルに
メッセージが来ていた。


「エンソクノハナシゴゴニナッタ」
「アンタイマゴウトイルノ?」
「アンタトゴウダケムダンケッセキ」