カナは右手に持った小さな革ケースを、パクんと片手で開いた。

外の光を感知して、ナカミがうごめきだす。

虫ピンで留められた、赤と青の龍。

ケースをひざに置く。

手のひらを見る。

長細いモノが、手のひらの中で暴れている。

カナはソレの頭のあたりに狙いを定め、手のひら越しにつまむ。

引っ張りあげると、中にいた黄色の龍の体が、ずるりと出てきた。

ソレも、ケースに入れる。