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「ともかくよ!」

 かくして長机を叩いて彼女は最後に言い切った。

「星空を見上げるロマンティックラブジェネレーションなシチュエーションで巻き起こるウレシハズカシダイアリーには相応な秘密の小箱という保管場所が必要でしょうが!!」

 日々、最高気温は更新されている。

 それはまるで夏が一歩ずつ階段を昇って近付いているかのよう。

 先日お気に入りのショップで見つけた青い花柄のワンピースを思い切って買ってしまおうか。

 そんな気分になってくる。

 セミがその存在をアピールし始める頃になるまでにはあれに合う麦わら帽子も欲しいな。

 そうだ。

 真っ白い、レースのリボンが付いたデザインがきっと似合う。

「…………」

「…………」

「……なぁ」

「色々機材とか資材とか資料とか部の活動日誌を保管する場所がちゃんと必要だよね、って話です」

 飲み干した、オレンジジュースが注がれていたグラスの中で、その名残を宿した夏色の氷がカラン、と踊る。

「アンタ、スゴいな……」

「そうですか? 慣れですよ」

 伊達に日々たくさんの物語に囲まれていない。

“読解力”を鍛えているわたしにとって、造作もないことだった。

「そんなわけで、週末にどこかで部室をどうするかという話しを、親睦を深める意味も込めて開催しようかと思っています」

 という先輩からの提案が最後にあって、冒頭の下りにつながることと相成ったのである。