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はたからみれば、もしかすると、うらやましいと思う人もいるかもしれない。

右には、校内随一と誰もが認める才色兼備な亜麻色の王子たる生徒会長。

左には、“黙っていれば”黒曜石を思わせる艶やかなたくましさをみせる美青年。

に、はさまれて固まっている、私。

「お待たせしました。本日のケーキセット3つです。ごゆっくりどうぞ」

カウンター越しに爽やかな笑みを浮かべながらマスターがそれぞれの飲み物とケーキを出してくれる。

ずっと入ってみたかった喫茶店で、こんな状況でなければわたしの瞳は満天の星を浮かべていたことだろう。

「雰囲気の良いお店ですね」

「そいつぁどうも」

 ですよね。

 さすが先輩よくわかってらっしゃる。

「今度の生徒会会議はここでするのもいいかもしれないなぁ」
「そりゃぜひご贔屓に」

 あ、いや、それってアリなんですか?

「これ、豆って何っすか?」

「今日のはモカマタリっつってな」

 なに、意外に珈琲に興味あるの?

 色が似た者同士だから?

「あぁ聞いたことあるな。なんか甘い薫りするっすね」

「こいつの特徴でな――」

「ってなんでふたりの方がお店堪能してるんですか!」

 いやいや、そうじゃなくて。

 そもそもなんでこの組み合わせで喫茶店に入ることになったのかという話。

 あれは部活動初日となる今日の放課後、開口一番に先輩が放った言葉からだった。