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 なんだけど、天音ちゃんときたらまるでわたしに何か迷惑でもかけてしまったかのように、

「今度ケーキおごるから! あ、なんだっけ、トリニティっていったっけ? そこでみおの好きなの買い占めちゃうから!!」

 そういいながらぐいぐいぎゅうぎゅうわたしに回した腕に力を込める。

 く、苦しい……

「わ、わかったから。ちょっと、ちから、ぬ、ぬいて……」

「あ、ごめんっ!!」

「ふー。もう、天音ちゃんってば大げさだよ~。無理なら無理で仕方ないよ」

「でも……」

 耳としっぽをたらした犬のようにしょんぼりとする彼女。

「ホント気にしないでってば。そてれに新聞部のお仕事だってすんごい大切な仕事なんだから。ね?」

「うん……ごめんねぇ」

「だから仕方ないってば~」

 まったく、変に頑固なんだから。

 でもそうなると、どうしよう、やっぱりひとりで臨むしかないかぁ……うぅん。

「あ、ねぇねぇ」

「ん? なに?」

「付き添いってさ、やっぱり欲しいよね?」

「や、だからそれはもうしかたないよー。気にしないでってば」

「うん。だからね?」

 あ……嫌な予感が……

「白鳥光を連れて行くのはどうかな、と」

 やっぱり。

「い、いや、無理! 無理むりムリ!! だって白鳥くんだよ? あの人が付いて来てくれるとか絶対ないよ!」

 そりゃあの人くらいの威圧感があればなんとなく心強くはあるけども。

 でもあの無愛想が服を着て歩いてるような人が、こんな面倒事を引き受けてくれるはずがない。

「じゃあみお独りで各部長様たち前に堂々と主張通せる?」

「う……それは……」

 思わず言葉に詰まってしまったが後の祭りというやつで。

「ほらね。任せておきなさいって。どんな権力者もアタシにかかれば“アスファルト”に頭こすりつけちゃうんだから!」

 それは大惨事だ。

 総理大臣が天音ちゃんに土下座している場面を想像して、ちょっと吹き出すわたし。

 この後の自らに降りかかる惨事なんて、これっぱかりも想像せずに。