授業中というのは非常に先生には失礼だけれど“授業以外のこと”にとても集中出来る時間だったりする。
(まずは活動内容の説明でしょ。それから……)
ノートをとるフリをしてその上に広げた原稿用紙に何度も目を通す。
(活動目的と活動場所の説明はどっちが先の方がいいかなぁ……うーん……)
話す内容については先輩のお墨付きをもらったけれど、やっぱりそれだけじゃ不安で、
(部活動が与える生徒への効果と学校への貢献内容って、結局同じ意味だよねぇ……)
どうすればより効果的にプレゼンが出来るかをわたしなりに考えているのだ。
(だって学校は生徒のためにあるわけでしょう?)
「――おっ」
(なら生徒のためになればそれは学校のためにもなるわけで……)
「みおってば」
「じゃあここはやっぱり1つに――って、はい?」
背中が何かでつつかれるのをふと感じて振り返ろうと――する前に誰かの足が視界に入る。
あっ、と思ったときには時すでに遅しというやつで。
「貴女が“それ”に必死なのは十分承知しているつもりだけど、いま黙読して欲しいのは教科書の方ね。琴引さん?」
やさしい口調で諭され、逆に申し訳なさと恥ずかしさが頬を熱くさせる。
「す、すみません!」
「まあ、今日は小説じゃないだけマシかしら? 休み時間まで後少しだから、出来れば残りは先生の方をみておいてもらえるかしらね」
「は、はい!」
どっ、と湧き上がるクラスメートの笑い声。
うぅ……は、恥ずかしい……
ただでさえ周りに注目されるのは苦手なのに。
自業自得ではあるけど、ね。
「…………」
その後の授業が周囲のクスクスという笑い声でとてもじゃない、集中できるような時間じゃなくなったのは、いうまでもない。


