と、
「ところで、藤川さんというのは“アノ”藤川さんだと思うのですが、この白鳥くんというのは……」
「し、白鳥くんはあの、実は天音――藤川さんの知り合い、そう、知り合いでして!」
「そう、なんですか?」
「は、はい! そ、その、藤川さんに相談したら天体観測に“興味がある”人がいるって教えてくれて、それで、その、事情説明したら“こころよく”入部してくれると――」
あまりにもナイスタイミングで質問がきたのでとっさに嘘が出てしまったわたし。
これも日頃たくさんの小説読んでる賜物(たまもの)かしら。
ひどい出来だけど。
そもそも嘘をつく必要なんてない――はずなんだけど、なんていうか、変に後ろめたいというか。
これが本当に品行方正で人畜無害で真面目な男子だったらきっとこんなことはしない。
胸を張って先輩に、
「頑張って集めました!」
といって、そしたら先輩は、
「さすが美織だね。いいコだ。ご褒美をあげよう。おいで」
なんて甘い声で囁いて、わたしを優しく抱きしめて頭をなでなでなんかしてくれちゃったりなんかして――
「琴引さん?」
「うふ。うふふ――ふぇっ? あ、は、はい!?」
「大丈夫ですか? 顔が真っ赤でボーっとしてましたけど。やっぱり疲れが……」
「あ、い、いえ! 大丈夫です!! ホントに元気いっぱいでむしろ有り余ってて規定人数集まった喜びで走り出したいくらいです!!」
危ない危ない。
途中から妙な妄想に移行しちゃってた。


