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 早朝の生徒会室は放課後とはまた違った静けさがある。

「じゃぁ、確かに。放課後には先生方の承認印をいただいておくので、細々としたことはそのときに話すようにしましょう」

「は、はい。よろしくお願いします!」

 水色をイメージさせる空気と、髪の先っぽをちょっとだけ湿らせる風。

 そして室内にはわたしと先輩のふたりきり。

 いつもなら心のノートにこの素敵なシーンを書き出して毎夜反芻(はんすう)するところなのに。

 正直、胸の内は複雑極まりなかった。

「──さん。琴引さん?」

「え? あ、はい!」

 どうやら少しうわの空になってたみたいで、先輩の呼びかけに無意味に大きな声で応える。

「大丈夫ですか? 部員集めに苦労したでしょうし、疲れが溜まってるようでしたら無理せず今日は早退しても」

「い、いえ。大丈夫です」

 確かに“頭は痛くあるけれど”体調が悪いわけではない。

 かといって先輩に相談するようなことでもない。

「そうですか……。しかしよかったですね、無事残り2名を集めることができて」

「う……は、はい……」

 心から、もう本当にうっとりするくらいに優しい微笑みを浮かべて我がことのように祝福してくれる先輩の輝き。

 が、今日に限っては実に、こめかみを的確に刺激してくれる。

 あぁ、まさか本当にアノ人が入部を了解するだなんて……

 そりゃ、助かるわよ?

 天音ちゃん以外にかけもちをしてまで協力してくれるほど仲の良い友達なんていないし。

 助かるわよ、確かに。

 でも、でも!

 なんというか“生理的に怖い”……

 そ、それに“あんな”男子が一緒だなんて先輩に知られたらと思うと――

 いや、まあ、知られたからって何か先輩との関係にマイナスとかそういうことはないんだけど。

 そもそもマイナスされるような何かがあるわけじゃなし。

 はぁ。