見上げるとそこには当然のことながら空があって。
それは真っ青な、というよりも。
薄い薄い膜を張った感じで。
「……で」
やけに白々しい今のこの空気に大変よく合った。
「話はこれで終わりか?」
「たぶん?」
「終わってないわよ! いい? 男の汗っていうのはね!!」
えっと。
無限ループは親友とはいえ避けたいと思うのね?
「うん、天音ちゃん、とりあえずその手帳をしまってみて? そうすると時間が比較的有意義に流れ始めると思うの」
「んむぅ……わかったわよぅ」
渋々という意思表示を、向日葵の種を頬いっぱいに詰めたハムスターのような顔であらわにしつつもポケットに手帳をしまう天音ちゃん。
暴走モードに入った彼女を止めるにはこの方法が1番早いのだ。
どうもあの手帳は彼女の探究心をあおる鍵になってるらしいから。
「なんだかよくわかんねぇけど、用は終わりなんだな?」
「え? あっ、うん」
「そ。んじゃ」
そっけなく、でもってまた気だるそうにあくびをしながら背を向けて校舎内に向かう彼。
いちいち偉そうな態度がちょっとアレだけど。
実際これ以上用は、関わりたくもない。
粗暴を絵に描いたような男性はやっぱり苦手だもの。
「ねぇ、アンタ」
なのに、
「あん?」
ギギッ、と音を立てるドアに手を掛けた彼に、
「毎日ここ利用しちゃってんの?」
天音ちゃんが声をかけ、
「そんなの俺の勝手だろ?」
その数秒後、
「まぁそうね。だから──」
わたしは親友が発した言葉に自分でも驚くくらいに大きな声を上げるのだった。
「──天文学部に入りなさい」


