「ひゃっ!?」
「誰っ!?」
突然の声、というかくしゃみ。
わたしたち以外には誰もいないと思っていたからことさらびっくりしてしまう。
ん?
まって。
この展開、お昼にもあった気が。
と、すれば……やっぱり。
「覗きですか? 趣味悪いですね」
屋上入口の裏手から現れたのは、
「勝手にそっちが恥ずかしいこと“おっぱじめた”んだろうがよ」
失礼極まりない口調の黒い男子。
そう、
「白鳥光!」
指をさして名指ししたのは天音ちゃん。
いうが早いか、彼女が取り出したのは極秘ファイル──もとい、ヨレヨレ手帳。
「いきなり呼び捨てかよ、おい。アンタ誰──」
「白鳥光15歳。身長182センチ体重71キログラム。あ、ちなみにこれは春の身体検査の時点での話しね」
「は? ちょっ!?」
どこから取り出したのか逆三角形のメガネをかけて、メモ帳に書かれていることを読み上げる彼女。
わたしにとってはありふれた風景だけれども、当の情報を明かされちゃってる本人はいきなりの出来事に口をはさむことも出来ずにぽかん。
まぁ“素人さん”からすれば当然の反応だとは、思う。
とはいえ。
天音ちゃんを止めるつもりは毛頭、さらさら、これっぱかりもないけれど。
だって最初に逢ったときも今も、いきなり出てきてこっちをドキドキさせて。
そのくせこっちが悪いみたいな言い方しちゃって。
少しはそっちも戸惑っちゃえばいいんだ。
うん。
そんなわけで、わたしは天音ちゃんからスラスラと流れてくる情報に、よ~っく耳を傾ける。
イタズラゴコロと、ほんの少しの“コウキシン”を携えて。


