放課後の屋上。
フェンスを背にして腰を下ろして見上げる空は、なぜだかとても広く感じる。
生徒会室を後にしたわたしはその足でここへきてこれからどうしようか考えていた。
先輩の厚意で部として承認される最低限の人数を3人にしてもらうことは出来た。
けれど、その残り2人をどうやって勧誘するか。
ほとんどの生徒がすでに部や同好会に在籍している現状は変わらないわけで。
問題はまだ目の前に横たわったままだ。
「あ、いたいた。みお~」
「天音ちゃん?」
屋上入口からひょっこりと顔を覗かせた彼女はメモ帳をひらひらと振りながらこちらに駆け寄って、
「今日はもう帰っちゃったかと思ったわよ。生徒会は?」
隣りにすとんっ、と腰を下ろし、そう聞いてきた。
「さっきいってきたよ」
「そっか。で?」
取りあえずさっきの先輩とのやりとりを話す。
今後どうしたものかという問題も含めて。
すると彼女は「ふむ」とひとつ頷くと、
「じゃあ後“ひとり”かぁ」
「え?」
あまりにも当然のようにいうものだから思わず聞き返すわたし。
「え? って、何よ。まさかアタシを頭数に入れないつもり?」
「だ、だって天音ちゃん新聞部は?」
すねたように天音ちゃんは頬を膨らませるけれど、彼女はすでに他の部に正式に入部している。
しかも1年生にして自分の“コラム欄”を持っているくらいなのだ。
あ、ちなみにコラムのタイトルは、
『レンアイ注意報発令チュウ!』
といって、校内の様々な恋愛エピソードを確かな取材と独自の視点で紹介するというもの。
その取材対象は生徒だけに留まらず、先生や用務員の人にまで多岐に渡る。
彼女のキャラクターも相まってか、愛読者も多いらしく。
中には意中の相手の情報を提供して欲しいと相談があるくらいだったりする。


