「ん?」
そよ風に乗って耳に滑り込んできた音。
なんだろうと思ってそっちに視線を向けると、
「なんだろ?」
近付いて拾い上げてみるとそれはパンの袋で。
中身が不在のそれはどうやら屋上への入り口の裏の方からやってきたらしい。
さっきから人気はなかったから、誰かがここに捨てていったのかな?
「んもう。やだな」
今後はここを活動場所にする予定なのだから、今の内からキレイにしておかなきゃね。
ポケットにそれを突っ込んだわたしはいち度辺りを見回し、
「ん~。うん」
まだありはしないかとゴミがやってきた方へと足を向けた。
まったく。
こんな素敵な場所でポイ捨てなんて。
美化に普段から厳しいわけじゃないけれど、大切な場所を汚されるのはいい気持ちがしない。
「今度“ゴミ捨て厳禁!”って貼り紙でもしとこうかな」
どれだけ効果があるかはわからないけれど。
しないよりはマシだと思うし。
そんなことを考えながら屋上入口の裏手に回ったわたしは、
「ふぇはわっ!?」
思わず変な声を上げた。
だってそこには――
「あ、えっ? えっ?」
――ひとりの男子が、腰を下ろし壁に寄りかかるようにして眠っていたのだ。


