彼女の動きがピタリと止まった気がする。

いや、止まった。

「…まだ、決めてないです。」

「まだって、二年の冬だけど。」

「この前、進路指導の先生に怒られました。」

本当にこの手の話は、嫌いというか苦手みたいだ。

「俺と同じとこ来ないのか?」

束縛する訳じゃない。
俺だって、まだ受かったわけではないし。

「…三枝さんに言われたんですか?」

勘が鋭い彼女。

「確かに言われたけど。言おうと思ってた。」

「…無理ですよ、私には。頭悪いから。」

「入る為の努力はないのか。」