「あの子、いいじゃない。あんたにゃ、もったいない」 美沙の後ろ姿がドアの向うに消えたのを見て、ルミは言った。 「彼女じゃないんだ。本当に」 「残念ね」 「……」 「ほらね。嘘もつけない」 「!」 「あんたね、ほんと、もっとしっかりしなさい。あんたを見てると……」 「イライラするわ!」 ルミはそう言い捨てて部屋から出て行った。 体も痛い。 心も痛い。 何もかも痛い。 痛い。 いたい。 オレは、久しぶりに「号泣」した。