「…お父様…どうして此処に?」

信じられないと言う顔で、私は呆然と立ち尽くす。


「ルキトから報告が入ってな…心配で連れ戻しに来た」


「どうせ、国を大きくしたいだけなくせに…私のことなんか…どうでも」

吐き捨てるように呟くメルメル。

「メル!」
《…バチンっ》

その時…一瞬、何が起きたのが理解するのに時間が掛かった……頬に痛みがある。


「お父様…」

父は泣いていた…今まで見たこともない涙を、私は目の前で見つめていた。


「…自分の娘を嫌いな親が何処に居る!?…自分の命より、大事な…」


何も言えなかった…私を叩いたが、父はそれ以上に傷ついているのが分かったから…。

「ミーモが亡くなった時、生きる希望を無くした…でも愛していた妻が命を削って産んだ子供を目の前にしたワシに、お前は…幸せそうに微笑んだんじゃ。ワシは、この子を守って行こう…ワシが死ぬ前に、この国を継いで貰おう…。メルには幸せになって欲しかったんじゃ…」