【研究所の糸ー1】



この屋敷は…


………なんだ?








一見外見から見ると、
普通の豪邸で
人が住んでるような家。






だが、
実際入ってみると

白衣を着た男達が
廊下を行き来している。







どう考えても、
何かしているようだ…







だが、
表向きに見える物は
当たり障りのない
研究資材ばかり。







多分、
何かの立ち入り検査が
入ったとしても、

カモフラージュする為の
ものだと推測できる。







つまり『裏』の
怪しいものは、

見えないようなとこ…
地下などにあるに
違いない。







確かに研究は気になるが
今は目的が違う。




いち早く本土へ
連絡できるように
しなければならない。







通信システムは
必ずこの屋敷のどこかに
あるはずだ。







そんな思いに、
三人は壁を使い

隠れながら
屋敷の者達の動向を
探っていた。







しかし、
思ったより人数が多くて
なかなか先には
進めないでいる。







「どうする?」








祐平の問いに、
螢と永斗は言葉を
詰まらす。







流石に、
こんな人数相手に
暴れても、

捕まるのが関の山だ








これから先は
何か手を考えないと、

力だけじゃ
進めないだろう