【捕らわれの糸ー24】




「会長…
そろそろ時間が…」






黒川がそう言うと、
女はコクリと頷いた。







「そうね……
研究データも見なくては
ならないしね…

では黒川。
後は任せたわよ」







「ハッ…!」






頭を深々と下げる
部下の横を、

女は悠々と横切り
そのまま去っていった。








「オイ待てこの野郎!」







螢はモニターに
力いっぱい叫んでいた。








当然だ。

まだ目的も何も
聞いていないからである








「うるさいな……

大人しくしていろよ」







黒川はそう言うと、
リモコンを前に掲げた。











ブツ……!








そのままモニターは
切られ、
再び画面は闇に
覆われてしまった…