運命の糸

【真実の糸ー23】




体を見ても
誰の手もないが

服が体に食い込んでる
のが見え、
透明人間にでも
掴まれてるような
感覚であった。







「な、何よコレ!!
アナタ!何をしたの!」







そう煙の向こうに
見えなくなった礼子に
問い掛けると、

彼女の声だけが
返ってきた。







「キャハハ!!
まだ分からないの…?

アタシの力じゃないって
ことを…

アタシはこれから
アナタの身に起こる
ような
そんな酷いことは
しないわ。

だけど、
後ろの人達は
アナタが許さないみたい

よく見てごらん…?
自分の体を」







礼子に言われるがまま
会長はじっくりと
その体を見てみる。






すると……







「ヒっ!!」







その体には
子供大人・男女問わず
様々な手が
薄く見え始めていた。







これは……

何なの?!







叫びにもならない
会長の声は

息が詰まったような
しゃくり声しか
出せなかった。







そんな恐怖の顔に
歪ませた表情は
今までの会長の威厳を
無くしていた。







「…ようやく気付いた?

それ…
アナタが作り上げて
亡くなった
クローンさん達の霊よ。

人の命を弄んだ
人数分の手が
見えるでしょ?

あんま霊を怒らせると
こうなるんだよ…」






礼子が言う通り、
失敗した
クローンの人数分の手が
会長に掴みかかっていた






そして、
そのまま姿がない手は
グイグイと
会長を奥まで引っ張る。






「ど、どこに
連れてく気!?

離しなさい!!!」






ズリズリ…






抵抗も虚しく、
会長はされるがまま
来た道とは逆の方に
連れてこられた