『…いや、何でもない。』 時刻は夜12時過ぎ。 …何時間経ったのだろう? 「"何でもない"って顔はしてねぇけど?」 時間を気にしていたあたしに、流してくれればいいものを…。 わざわざ話を蒸し返して来る。 …すべてを分かっている、かのような妖しい笑みを浮かべて。 ジリ…と、段々と縮まる距離を。 ソファの右にズレることでとっていた適度な距離感。 「…で、なに?」 …が、完全にその距離感は無意味なモノと化した。