ヒマリュウ-Ⅱ- 〜08.11-【番外編】追加〜




『…いや、何でもない。』



時刻は夜12時過ぎ。

…何時間経ったのだろう?



「"何でもない"って顔はしてねぇけど?」



時間を気にしていたあたしに、流してくれればいいものを…。

わざわざ話を蒸し返して来る。

…すべてを分かっている、かのような妖しい笑みを浮かべて。



ジリ…と、段々と縮まる距離を。

ソファの右にズレることでとっていた適度な距離感。



「…で、なに?」



…が、完全にその距離感は無意味なモノと化した。