『…はい?』


「あたしと付き合いませんか?」



だから、の前置きの後に。

さっきと同じ言葉を続ける。



…なぜ?

なぜそうなるの!!?



突然の言葉にパニックに陥っていると、機嫌は悪いままの冬可が助け舟をだしてくれた。



「沙璃。」


「…あーあ、お兄ちゃんのバカ!!」



パッと、あたしの手を離すと。

冬可にそう言って、「では桃さん、また☆」あたしには挨拶をして。

バタン…と、乱暴に扉を閉めて帰って行った。



―シーン



嵐が去った後の静けさ、とはこういうことを言うのか。

沙璃ちゃんが去った後の冬可の部屋は、静寂に包まれていた。