「――…で?」 「…え?」 書類に一通り目を通した(…って言っても二回目)冬可が、書類から目を離し凛々さんを見つめて言った。 だから何だ、と。 これが全てだ、と。 凛々さんの顔には困惑の表情が浮かぶ。 必死に何かを考えているようだ。 …でも、確かに。 書類を盗み見れば、冬可の印は押してあるのだから、それが嘘じゃない…コトぐらい一目瞭然だ。 …でもそれを信じたくない気持ちは、あたしにも痛い程わかる。 わかるからこそ、何も言わなかった。