聞こえた声に、視線だけを冬可に向ける。 …ドキッとした。 ………とても真剣な目をしていたから。 「桃、…俺と結婚してくれ」 そして紡がれたのは、とてもとても甘い、愛の言葉。 …――プロポーズ。 …あぁ、あたしは、なにを迷っていたのだろう。 こんなにも冬可を好きなのは、あたしなのに。 『…あたしで、いいの?』 「桃が、いい」 こんな冬可が大好きなのに。 簡単だったじゃん。 あたしの答えは、もちろん…―― 『――…喜んで』