この際だから、今日守るためにも、全部言う。 『凛々さんに…別れろって言われたんだ。二十日ぐらい前に。』 「……凛々に?」 『うん』 それからあたしは悩みに悩んだ。 本気で別れよう、って思ってたまり場まで行った。 …でも、やっぱりムリだった。 『そんな簡単に別れよう、なんて言えなかった。』 「………。」 『…でも、こんなことになるぐらいなら…――』 "別れとけば良かったのかも" とは、言えなかった。 冬可が、とても悲しそうな顔をしてたから…。