『あ、うん、ゴメン』 その言葉で初めてあたしは、舞が息を吸えない状態だったのを知った。 …あたしが舞を放すと同時に、物凄い勢いで空気を取り込み始めたからだ。 冬可はそんな舞とあたしを交互に見ると、「はぁ…笑」とため息と共に笑いも零した。 未だに空気を取り込んでいる舞の側に行こうとして――… 「舞」 …――辞めた。 その役目は、今舞の隣にいる恭哉がこれからはすることだから。