冷静だからこそわかる。

ここから逃げ出さなければならないということが。

ここでチンタラしていれば、山田川さんと同じ道を辿るかもしれないということが。


隙を見つけて、一刻も早く走り出さなければならない。



これは一種のサバイバルゲームなのかもしれない。



ちらっと見渡せば、生徒会室にはそこそこの人数がいて。

出入口のドアは、デカイのが一つだけ。

窓はたくさんあるけど、ここは多分一階じゃない。



「……記憶……終わった。」

未だに鎌を握りしめた彼が、山田川さんの頭に手をかざすのを止めて、三つ編み美少女を見上げた。


アユムはさっきから何かを考えているようす。


「了解。じゃ、あたしはコイツを元いた場所に戻してくるから。ねぇ鵺、終わったらそのまま直帰していいよね?」

「御自由に。ついでに幹部以外は帰っていいよ。」