「で、鵺。どうするわけ?コイツの処罰。」

山田川さんを見下ろすように、三つ編み美少女が冷ややかに言う。


問い詰められた生徒会長は、うーんと唸りながら何かを考えていた。


あたしは黙って震えている彼女を見つめるばかり。

山田川さんはあの祭りの日に一体何をしたんだろう?


またもや響く沈黙。




「御神木を傷つけたって言っても傷はそんなに深くはなかったし、本当は処罰を軽くしようと思ってたんだけど。」

突然、ふう、とため息をついて椅子の背もたれにもたれた生徒会長は何かを決めた様子で。


「ま、罪意識が無かったってのが論外。」

彼の深い翠の瞳は、淡く氷のような光を放っていた。



「ま、って!待って!悪かったと思ってる!」

彼と目が合った彼女は、次の瞬間弾かれたように喋りだした。


「ちょっとした悪ふざけだったの!ごめんなさい…ごめんなさいっ!」

「今更遅い。」

「お願いします許して!処罰って何!?ごめんなさい!」


「見苦しいね。」と呟いたアユ(ム)同様に、その光景は痛々しくて胸が詰まる。