「早く出たいな。」

何故・・コンな病気になってしまったのだろう?

何故・・・こんな事が起こってしまったのだろう?

~見知らぬ少女~

『あら・・今日も何か書いてるの?』

「うん。」

『でも診察の時間だからね。』

「うん。」

『・・・よし・・順調よ。』

(看護婦さんはうそつきだ。)

「ねぇ・・一つ聞いてもいい?」

『何?』

「偽りの嘘。」

『え・・?』

「何故・・人は人を傷付けるとおもう?
何故人は人を陥れようとする?
何故ウソつくの?
後で苦しむのは・・自分なのに。」

『それは・・時には嘘つくことも必要だから。』

「そうかしら?
私はそうは思わない。」

『どうして?』

「だって・・。
ウソを付くのは・・隠し事があるからでしょ?」

『・・・!!』

「人を傷つけるのは自分が傷付けられたことを相手に与えようとするから。
人を陥れるのは、自分がいいようになりたいから。
嘘付くのは・・逃れたいから。
どんなにウソを付いても付いても積み重ねるだけ辛くなるのは自分なのに。
人を傷つければ・・辛くなるのは自分なのに
人を陥れれば自分が逆の立場になるのに・・。
それでも人はやめようとしない。
やめるどころかいっそ深さは増してゆく。
何故?
そこまでする必要があるの?」

『・・仕方ないのよ。
大人になれば分かるわ・・。』

「私は・・分かりたくない。」

『何故?』

「だって・・・よけいに自分が惨めになるだけだもの。」

『・・・・・・。』

「看護婦さんは・・・そう思わないの?」

『・・・私達は、もう数え切れないくらい手を汚してきた。
言葉で嘘を隠してきた。
涙で騙してきた。』

「・・・これ・・あげるわ。」

『これは?』

「私が書いたのよ?
今の疳奈(かんな)さんに一番あう詩じゃないかしら?」